チームビルディング研修会①

チームビルディング研修会をバルコにて行いました。

今回は、ロジカルコミュニケーションスキルについてです。なぜ言語技術(ロジカルコミュニケーション)がサッカーをするうえで必要な(間接)スキルなのでしょうか??

ヨハン・クライフは現役時代、試合中の重要な判断について尋ねられた時、「自分の判断は正しかった」と前置きした上で、「こうすると、相手がこう来る、だから論理的にこう判断した」と、まず自分の読みについての説明をしました。ところが、この判断についての話はこれだけで終わらず、「もし」という仮定の下に、「もしこうしたら、相手がこう来ただろうし、もしああしたら、相手がああ来るだろうし…」といくつもの可能性に言及し、そしてその中で最終的に、いかに自分の判断が論理的に正当だったかを早口でまくし立てたそうです。

サッカーは常に状況を判断し、決断し、実行するスポーツです。しかも瞬時にそれを行わなければなりません。その判断の元になるのが「考える力」です。さらにそのベースとなるものが言語技術(ロジカルコミュニケーション)にほかなりません。言語技術をトレーニングすることで、プレーの質が上がると考えられます。

さて、今回もアイスブレイクを入れたのち、まずは「絵の分析」を行いました。

「よく観て!」「状況を判断して!」スポーツの世界に限らず、こうした指示を耳にすることは多いものです。ところで、実際には「よく観て!」という指示だけで、人は対象を観察できるようになったり、「状況を判断して!」と指示されるだけで状況判断できるようになるものでしょうか??答えはノーです。対象を観察し、状況を判断するためには、その方法を知る必要があります。優れた観察力と状況判断力をはぐくむのに極めて効果的なのが、「絵の分析」と言われてます。内容は割愛しますが、多くの選手が意見を述べ、またこちらが気づきもしないような、まさしく優れた観察力を発揮した選手もたくさんいました。

 

次に、より正しい判断に導くため「テクスト分析」を行いました。テクストとは文章のこと。つまり、テクスト分析とは、文章や言葉を分析的、批判的に読解することです。

今回は唱歌「たき火」を分析することにしました。まずは歌詞を熟読し、「季節はいつか?」を分析しました。さて、みなさんはどう「分析」しますか??いくつかのワードにヒントがあります。たき火、おちばたき、きたかぜ、さざんかさいた、しもやけ、こがらし、さむい…どれも冬を連想させますが、根拠が必要です。そこで辞書を用いてひとつひとつを確認する作業を行いました。きたかぜは、北方から吹いてくる風。さざんかは、秋から冬にかけて白花をひらく。等とあります。このようにひとつひとつの言葉を辞書であらためて調べてみると、いずれの言葉も冬の季語であることが明らかになります。では、登場人物は何人でどのような人でしょうか??考えてみて下さい。

このように、言葉を厳密に読みながら、証拠を挙げて論証しながら読解を進めていきます。「絵の分析」と同様、正解がたったひとつあるわけではなく、複数の考えが成り立ちます。依拠する証拠によって、解釈にはブレが生じます。しかし、その解釈のブレを議論によって詰めていくのが西洋式の「テクスト分析」のあり方です。そういった環境で育ったクライフが、論理的にプレーを説明したのもごく自然なことだったのでしょう。

こういった、ロジカルコミュニケーションのスキルを上げるトレーニングをたくさん行うことで、サッカーのプレーに大きな影響を与えることでしょう。また、サッカーだけに限らず、日常生活や社会に出てからも充分役に立つスキルであると感じました。

レアッシでは、こういった取り組みを定期的に行っていきたいと考えております。今後の活動にご期待下さい。

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