良いサッカーコーチになるにはサッカー以外の勉強も。クリエイティブなもの?

こんにちは。前回指導者についてのコラムを書いたのですが、今回は違う視点から考えてみました。これも「これから指導者を目指す若い方」へのメッセージになると思います。

日本でサッカーのコーチとして、特に街クラブで働くにはコーチ業と経営にかかわる部分が出てきます。『仕事』としてやるにはそれなりの努力が必要です。
僕も40代に突入し、若い時にはデザイナー(設計)として仕事をしていた経験も踏まえ、現在クラブの経営やコーチとして働いていると、若い人たちの『能力』という部分について考える機会も増えてきましたので僕なりの考え方を述べたいと思います。

クリエイティブな能力

結論的に言うと(今の僕の持論ですが)『この仕事はクリエイティブなもの』と言えます。日々同じことを繰り返す作業ではありません。言葉だけを聞くと、「ああ、なるほどな」と思うかもしれませんが、「クリエイトする」とはどういうことかを少し考えてみたいと思います。

クリエイティブな発想をするには、「知識」と「好奇心」がとても重要になってきます。
なぜ知識が必要かというと、無からは何も生まれないからです。新しい発見や創造的なものは既存の組み合わせやそれに対してのアンチテーゼだったり、一見関係のないようなものからヒントを得たりして生まれてくるからです。ですので、「知識」に関しても(特にクラブ運営や人間的な教育を行うためには)サッカーだけではなく、その他のジャンルにも興味を持ち、見識を広げておくことが大事です。

例えばサッカー界では戦術的ピリオダイゼーション理論が出てきた時に「要素還元論」「複雑系」や「フラクタル」「カオス」というキーワードが出てきましたが、これらはもともとサッカー用語ではありません。それぞれが違う学問体系の中で使われていたもので、もし哲学などに興味があれば何を言っているのかはすぐに検討がつきます。
これはすでにある「異なる学問の言葉」を借りてサッカーを表現しようとしたとも言えます。そのため新しい理論を構築できたとも考えれます。

社会で通用すること

前回も書きましたがサッカーのコーチも社会の一部ですから、一社会人としても「できる人間」であるほうがより社会に必要とされます。
僕ら40代の人間から見れば、仕事をいい加減にやったり、段取りが悪かったり、休みの日は家でゲームして過ごしたり、漫画を読んで過ごしている人よりも、コミュニケーション能力が高く、社会のニュースを知り、経済、政治、歴史、その他の様々な知識を日々学ぼうとしている人のほうがやはり魅力的です。
どちらを採用するかは一目瞭然ですね。

何でも良いと思います。基本的なこと、社会の動きを知ることは当たり前ですが、音楽や芸術、哲学や自然科学、興味があることの知識を持っていることは、「創造する時に種になるもの」ですので、学んでいて損をすることはありません。

僕は若い時に建築家を目指していましたが、その時に勉強した哲学や芸術史、デザイナーとしての知識、WEB、広告、ブランディングなどの知識はサッカークラブを経営、そしてコーチとして仕事をする上でとても役に立っています。

『サッカークラブ』と一見関係がないようなことばかりですが、「サッカークラブを創造すること」はデザイナーと同じ「クリエイトすること」ですから、その表現がデザインかサッカークラブかの違いだけでプロセスは似ています。

例えばサッカーのコーチだからブランディングの知識が必要ないのではなく、その知識を得れば更によくなるかもしれないと、常に向上心を持っておくことが重要です。
特に育成年代にかかわるコーチは、選手を社会に送り出す重要な役目を担っていますから、自分が社会の中で通用するスキルを持っていないと、何も与えることができません。
僕ももっと向上して行きたいと思っています。まだまだこれからです!

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営