こんにちは。代表の吉廣です。
サッカーの現場から見えた「子育てのヒント」をお届けしているこのコラムは、毎週公式LINE VOOMで投稿中です。今回は特別編として、現在開催されている「2026年FIFAワールドカップ」についてお話ししたいと思います。
日本代表は決勝トーナメント1回戦でブラジルと激突し、1-2で惜しくも敗れました。世界の壁はやはり高く、選手たちも、応援していた私たちも非常に悔しい思いをしました。 しかし、今回のワールドカップで彼らが世界に示したものは、単なるサッカーの強さや戦術の進化だけではありませんでした。
今回の日本代表チーム、そして現地に駆けつけた日本サポーターの姿は、育成年代の子どもたち、指導者、そして保護者にとって、これ以上ないほど素晴らしい「生きた教材」になりました。彼らが育成年代に残してくれた大きな影響について、現場の視点から紐解いていきます。
◆ 森保監督が掲げた「凡事徹底」の精神
今大会、日本代表の森保一監督はチームのミーティングで「凡事徹底(ぼんじてってい)」という言葉を繰り返し伝えていたそうです。選手たち自身もインタビューでその言葉を口にしており、それがチームの快進撃を支える強固なメンタリティになっていたことが伺えます。
「当たり前のことを、当たり前に、徹底してやる」。 実はこれ、私が普段から選手や保護者の皆様にお伝えしている育成の哲学と完全に一致しています。私はよく「サッカー上達の一番の近道は、玄関の靴を揃えることだ」と伝えています。
一見、サッカーとは何の関係もないように思えますが、自分の荷物がどこにあり、どう並べれば効率的かを整理できている子は、頭の中も整理されています。そのクリアな思考があるからこそ、ピッチ上で「なんとなく蹴る」のではなく、意図を持ったプレーができるのです。また、時間にルーズにならず「練習に間に合うためには何分前に準備を始めればいいか」という“逆算”ができる子は、試合の中でも「ゴールを決めるために、今どうビルドアップ(攻撃の組み立て)をすべきか」という逆算ができます。
特別な魔法などありません。挨拶をする、時間を守る、道具を大切に扱う。そうしたピッチ外での日常の積み重ね(生活習慣)と思考の整理が、厳しいプレッシャーの中でブレない「サッカー脳」と「心」をつくります。ブラジル相手にも堂々と渡り合った日本代表の躍進の裏には、まさにこの「凡事徹底」があったのです。
◆ 世界を動かしたサポーターの「当たり前のリスペクト」
そしてもう一つ、世界中で大きな話題となったのが、日本のサポーターたちによる試合後のゴミ拾いです。
海外の超大手メディアまでもが「日本は敬意、親切心、そして良識における世界の基準を打ち立てた」と大絶賛しました。 私たち日本人にとっては、学校の掃除の時間などで「使った場所は自分たちで綺麗にして帰る」と教わってきたごく「当たり前」の行動です。しかし、海外のスタジアムでは、試合後は足の踏み場もないほどゴミが散乱するのが常識とされてきました。
その中で、勝っても負けても、自分たちの席だけでなく周りのゴミまで黙々と拾い集める日本のサポーターの姿は、世界の人々の心を打ちました。 さらには、他国の代表チームが敗戦後に控室を綺麗に清掃して帰ったり、他国のサポーターがパブを片付けたりと、日本の振る舞いが世界の新しい基準(ベンチマーク)となり、真似され、素晴らしい文化として世界中に根付こうとさえしています。
この「当たり前のリスペクト」は、環境や他者のせいにしない「他責思考からの脱却」の究極の形です。自分たちが使わせてもらった環境に感謝し、次に使う人のことを考える。この精神は、サッカーという複雑系のスポーツにおいて最も重要となる「他者への思いやり」や「協調性」そのものです。
◆ 「勝ったチーム」よりも「勝利に値するチーム」へ
日本代表チームの「凡事徹底」、そしてサポーターの「リスペクトの精神」。
これらは、私たちが育成年代の子どもたちに本当に身につけてほしい「人間力」の答え合わせのような出来事でした。 育成年代の子どもたちはプロではありません。勝ち負けという結果だけで、彼らの存在や未来の可能性が評価されるわけではないのです。
以前のコラムでもお話ししましたが、目指すべきは単なる「勝ったチーム」ではなく、「勝利に値するチーム」です。 どんなに苦しい状況でも他人のせいにせず、最後まで諦めない。見えないところでも真摯に向き合い、ピッチの外でもしっかりとしたモラルを持っている。そして、関わるすべての人にリスペクトの精神を持っている。 誰もが憧れ、心から拍手を送りたくなる。それこそが「勝利に値するチーム」です。
ブラジルには敗れましたが、世界中から愛され、称賛され、誰かの模範となる。そんな日本代表やサポーターの姿は、まさに私たちがレアッシで子どもたちに目指してほしい「本物の選手」「豊かな人間性」そのものでした。
ワールドカップの熱狂と悔しさを、ただの「楽しかった思い出」で終わらせてはいけません。 明日からの日常の中で、玄関の靴を揃え、道具を大切にし、周りの人に感謝する。その「凡事徹底」に繋げていくこと。それこそが、この大会が日本の子どもたちに残してくれた最大の遺産であり、未来の日本代表をつくる確かな一歩になるはずです。
── レアッシ福岡FC代表 吉廣 統
【編集後記】 noteでは、サッカーの現場で見つけた「子育てのヒント」や「親子の関わり方」について発信しています。今回のワールドカップ、子どもたちと一緒に熱く応援されたご家庭も多いと思います。代表選手たちの素晴らしいプレーはもちろんですが、ぜひ彼らやサポーターの「ピッチ外での振る舞い」についても、親子で話すきっかけにしてみてください。
noteはこちら👉https://note.com/leassi_daihyou
⚽ レアッシ福岡FC 公式LINEのご案内 レアッシ福岡FCでは、より詳しい「代表コラム」や、お子さんの成長に役立つ情報を公式LINEで配信しています。 「子どもの自立を促す声かけ」「失敗を恐れないメンタルの育て方」など、最新情報をいち早く受け取りたい方は、ぜひ友だち追加をしてください。 👉 [https://lin.ee/y4yDjWC]
Instagramでも活動の様子を発信中!📷 👉 [https://www.instagram.com/leassi.fukuoka.fc/?hl=ja]

