職業としてのサッカーコーチ 〜サッカーで飯を食う!〜

みなさんおはようございます。ディレクターのKazuです。
今日は『サッカーのコーチという職業』について考えてみました。
普段は選手のことにスポットを当てているので、コーチや運営側の話はしないのですが、覚書程度に書いてみたいと思います。

日本ではJリーグができ20年を超え、サッカー人口も増え、人気のスポーツとなっています。現在では例えプロサッカー選手になれなくても「サッカーに携わる仕事」は増えています。ジャーナリストや通訳、運営に携わる方や審判、そして「コーチ」というのもJリーグのみならず、我々のような小さな街クラブでも少しづつですが職業となってきているところがあります。サッカーが好きでずっとやってきて、もしくは経験はあまりないけどサッカーが好きになって、サッカーのコーチを職業にできたら良いなと思う方は多いのではないでしょうか。
しかしそれを職業として成り立たせるには相当な努力・労力も必要だということもまた事実だということも同時に考えなければなりません。

僕たちの仕事は基本的には専門職になるかと思います。専門の知識を蓄え、経験値を上げ、いっぱしになるには多くの時間と労力が必要になります。
私は若い頃、デザイン事務所で設計の仕事をしていましたがこれも専門職です。まだ図面も描けず、デザイン力もなく、見積もりの知識もない新入りの頃には様々な雑用をこなさなくてはなりません。当然給料は低く、最初の数年はひたすら学ぶことになります。その間に自分に不足している分野の勉強をし、自分の作品を作り、少しづつ任せてもらえる仕事が増え、後に大きな仕事を任せてもらえるように準備しなくてはなりません。一人で仕事ができるようになるにはかなりの年月がかかります。おそらくほとんどの専門職がそのような流れではないでしょうか。その仕事に魅力を感じていないととても続くものではありません。
つまりプロフェッショナルな仕事が求められるし、年齢を問わず能力によって賃金に差が出るということです。

また、専門職であれど、社会の一部ですから「社会性」も求められます。一般的な社会から見てどうなのか。社会人としての常識が欠けていては成り立ちません。

ではサッカーのコーチを仕事にするとはどういうことなのでしょうか。
これは、これからサッカーのコーチを職業にしたいと思っている若い世代の方々へのメッセージですが、僕の考えでは、一般の会社で良い仕事ができない(通用しない)人はサッカーのコーチを仕事にすることはできない時代へこれから入ると思います。今まではサッカーのコーチをする人自体が少なかったので、やりたい人がいれば、ボランティアやそれを職業とするかは別にして、とりあえずは誰でもなれました。

しかしこれからはそれを職業にしたいと思う人材は増えてきます。
街クラブの場合、まだスタッフを正社員として雇えるクラブは少ないのに対してそれを希望する人が増えてきているのでそこに競争が生まれます。(僕としては選手同様に指導者も競争することで成長すると思っていますから良いことなのですが)
そうすると雇う側も当然優秀な人材が欲しいので選別します。もちろんクラブにお金を払っている保護者の方の目も肥えてきているので、クラブ側と保護者のかたの両方から評価されることになります。

専門職の仕事として知識と経験をもっておりすでにプロフェッショナルな仕事ができるのか?
今はできないけれど貪欲に学ぶ意欲があるのか。

専門職で賃金を受け取るということは、プロフェッショナルな仕事が要求されるということです。「コーチそのものが商品」という表現もできます。
レベルの差はあっても、いい加減な、もしくは本当にプロフェッショナルではないコーチには誰もお金を払いません。それは自分の仕事が評価されていないということです。前述したように専門職であっても「社会の一部」ですから、自己満足ではなく、社会から自分の仕事の価値が認められなければ何らかの改善をする必要があります。

コーチという土俵に立てば、ボランティアやプロ、少年団やクラブチームに関係なく、一人の責任あるコーチとして仕事をする。勿論、別の仕事をしながらコーチをしている方に対して、それを職業として、もしくは少しでも賃金をもらっているコーチはさらに高いレベルの仕事をしなくてはいけませんね。

僕も負けないように日々精進したいと思います。

僕が住んでいる福岡県福岡市でもサッカーをしている多くの少年・少女、中学生など自分の将来を具体的、もしくは漠然としているかもしれませんが考えていると思います。多くの小学生が将来サッカーのプロ選手になりたいと思っているかもしれません。幼児、もしくはジュニア年代でサッカーを始め、ジュニアユース年代、そしてユース年代になりサッカーから離れて行く選手たち。離れてゆくのではなくて再びサッカーの世界に戻ってくる。子どもたちが将来サッカーに携わってそれを仕事にすること、そういう未来を作るのも、我々サッカー界に携わっている大人の役目だと思います。

今の僕らが良い仕事をすることが、未来に活躍する今の子どもたちのベースを作っています。サッカーコーチという職業の社会的地位を上げて行くのも僕らの仕事です。

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営