小学生で週5回の練習はムダ。今だに抜けきれない根性論と練習量という神話。

※レアッシ関連サイト:「ジュニアサッカー大学」で関連しているテーマを動画解説をしていますので、そちらも合わせてご覧ください!
解説動画はこちら!(Junior Soccer College YouTubeチャンネル))

タイトルが少し過激ですが、指導者になって思うことや体験したこと、いろいろと入ってくる情報、僕の経験談なども踏まえて、日本のサッカー界のみならずスポーツ界全体にも言えるかもしれない『根性論と練習量』について最近考えることがあったので書いてみたいと思います。

例えば小学生で平日の5日間が全て練習だったり、1日に長時間練習すること、試合に負けたから練習量を増やしたり、ライバルに勝つにはライバルよりも多く練習するという、小・中・高、もしくは大学や社会人、プロの世界でも『今だに根強い日本独特のもの』を踏まえて。

試合で活躍できない選手は練習日以外にも練習するしかない?

先に結論を書きますが、「サッカーの試合でなかなか活躍できない」と感じている選手(子ども)、そしてそれをサポートする保護者の方が「みんなと同じ練習をやっても追いつけないからもっと練習しなくては!」と感じている場合にはこの記事が意味があるものになるかもしれません。

結論としては『練習日以外に練習する必要はない』、ということが僕の持論ですが、それは「サッカーをしてはいけない」ということではなく、重要なのは『練習とは何か?』を定義しないと大きくブレてしまいます。
また、選手のレベルや運動経験などにもよりますし、サッカーという競技の特殊性、「足でボールを扱うために基本的な技術を習得するのに時間がかかる」というものにも関係します。

この解決策は…!?

(レアッシでは毎週各スタッフが自分が担当している試合、プロの試合を見てビデオ分析するミーティングを行っています。
※写真は本文とは関係ありません)

かなりの練習時間だった現役時代(25年前)

少し僕の話をさせてもらいますと、小中高とずっとサッカーをやってきました。小学生の時は弱いチームでしたがチーム内で4〜5番目くらい、中学生の時は今のようにクラブチームがあるわけではなかったので「部活全盛」の時代です。中学ではキャプテンをやって学校のサッカー部初の県大会出場、その甲斐あってか高校も「特待」で進むことができました。(厳密にいうと先輩たちの功績があったから特待に引っかかったのだと思います)

高校では、(指導者になってからの感覚からいうと)今ではびっくりするくらい練習していました。

朝の7:00頃に学校に行って8:30まで自主練。別に自主練する義務はないのですが『試合に出たい』という思いから「もっと練習しなくては」と思い、毎日ではないですが意欲的に行っていました。
授業が終わって16:30から19:30〜20:00くらいまで練習。(記憶が明確ではないですが毎日3〜4時間練習した記憶です)。それが終わって21:00くらいまで『自主練』。

一日合計6時間くらい。

休みはほとんどなく、年末は大晦日まで試合で元旦に休んで2日にはOBかいが主催する初蹴りに参加、夏休みは1~2日程度の休み、年間でどれくらい休みがあったでしょうか。
土日の練習は『2部練』(午前と午後に練習する)のが通常でたまに「1部練」だととても喜んだのを覚えています。

しかし、当時高校生だった僕は、そのような環境に対して疑問を持っていました。「自分のやってきたことを否定したくない」気持ちと「本当にこれで良いのか」という複雑な心境です。

指導者になり様々な勉強や経験をしてきた今では「練習量を増やしたほうが良い」という考えは「ナンセンス」というのが結論です。

「練習時間は長くて多い方が良い」「短くて少ない方が良い」?

どうしても「上手くなるには練習量を増やそう」という発想を抜けきれないのが日本のスポーツ界の現状です。
勿論、そうではなく「新たな取り組み」を行っている方もたくさんいるとは思いますが、そういった方の周りにもそのような指導者は多いのではないでしょうか。

(サッカー界だけでなく、他の競技に携わっている指導者の方にも意見を聞いてみたいですね。)

重要なのは「量」ではなく「質」です。

レアッシでは小学生も中学生も基本的には1回90分前後の練習を週に3回行っています。
僕はこれで充分だと思います。
以前当クラブの黒沼コーチも記事を書きましたが(子どもたちを見守る大人へのメッセージ:子ども達がサッカーやり過ぎていませんか?)、『1回の練習に集中する質』が重要です。
もしかしたら小学生なら70〜80分でも良いかもしれません。その代わり『練習の質』は高いものでなくてはなりません。

ただ、「練習の質」を確保できない場合は「量を増やす」ということも必要かもしれません。

プレーしている中で一番インテンシティ(プレーの強度)が高いのは「試合」です。

通常のサッカーの試合が90分なのに、90分以上トレーニングする必要があるのでしょうか。

第2弾「多くの練習量を課す指導者たち」はこちら!

(他の競技を指導されている方、是非ご意見下さい)

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営