コーチが黙ってベンチに座ることは仕事放棄か!?極端に偏ることの危険性と魔法のトレーニング

みなさんこんばんは。ディレクターのKazuです。前回書いた「敗戦を選手のせいにする指導者は…今すぐ…」は大きな反響を頂きました。そのように考えている指導者の方々がたくさんいるということは、子どもたちにとって良い方向ではないでしょうか。
今回もまた、育成年代(少年、ジュニアやジュニアユースといった)若い指導者の方々へのメッセージになると思いますが、今回はこれを語るのに難しさがあります。表現的な誤解があるかもしれませんが、チャレンジ精神です。

「サッカーは〇〇が全て」と決めつけていませんか?

タイトルにもある「極端に偏ることの危険性」とは何か?
これは育成年代(小学生、中学生、高校生)の日本サッカーの中で散見できる傾向です。僕らが活動している福岡県、もしくは福岡市でも良く見られます。
その例としてあげられる代表的なものが「個人テクニックかチームの戦術か」といった類のもの。「ドリブルサッカーかパスサッカーか」、「トップダウンかボトムアップか」、「ポゼッションかカウンターか」など、「サッカーという複雑なスポーツを2元論化する」思考です。

そして同じくタイトルにある「魔法のトレーニング」、これはある思考を示しています。つまり、選手がレベルアップして行くには「ある一つの考え」を徹底的に採用し、「そのための唯一の方法(トレーニング)」があるという思考です。そしてそのようなスタンスを取ると、「いつも同じことを繰り返し」「練習や試合で監督・コーチがやるべき仕事」を単調なものにしてしまうのです。

例えば毎日同じ練習を繰り返すこと。これはコーチにとってはとても楽なものです。試合中に何も言わないこと。これもまたコーチにとってはとても楽なものです。「選手の自主性」に任せているなら、おそらくコーチはいない方が良いでしょう。同じ練習を繰り返すのにコーチは必要ありません。

いろいろな考え方はそれ自体はとても素晴らしいものです。しかし、「それだけが唯一」と捉え始めるとおかしな方向へ進んで行きます。「サッカーではドリブルも必要だし、パスも必要」、「トップダウンで決めることもボトムアップですることも必要」、「テクニックも必要だし戦術も」、「選手に考えさせるのもコーチが教えるのも」全て必要です。

日々新しい情報が出てくる中で、いろんな書籍などを通じてこのような偏った考え方が出てくるのは当然「売れるためにはインパクト」が必要で、「バランスが大事です」なんて書いても売れないからです。こういうことは若い指導者よりも年上の、社会を熟知している指導者は理解しています。それも一つの考え方だと皆分かっています。
サッカーはテクニックでなく戦術だ、ドリブルこそが全てだ、ボトムアップでないと選手は成長しないと考えてしまうと思考停止に陥ってしまいます。

どうしても真面目な若い指導者は選手のために勉強する中でもっと良い方法はないかと探すのですが、二元論的な極端な考えにならないことが重要です。

「サッカーとはとても複雑なスポーツ」だと理解する

ではどうするかというと「サッカーとはとても複雑なスポーツ」だと理解することです。自分の目の前にいる選手たち、チームを見て、「今どのような方法が一番適しているか」を考え抜く必要があります。

僕も、テクニックのドリル練習をすることもあれば戦術的なものも行いますし、トップダウンで教えることもあれば選手が自ら答えを出すのを待つこともあります。試合中ベンチに座って「待つ」こともあれば、立ち上がって指示をしっ放しのこともあります。(小学生でも中学生でも)

全ては常に同じでない(変化する)選手を前に「最善の方法を用いる」ということです。そうすると指導者はかなり苦しみます。絶対的なものがない中で苦しんで答えを出さないといけないからです。その逆はとても楽なものです。サッカーはドリブルだ、と定義してひたすらその技術を磨かせる。ボトムアップだといって何も言わない。反対に戦術だといってそのレベルに適していないものを教え込もうとする。常にトップダウンで命令しかしない。

こうなるとどちらも非常に楽なものです、何故なら思考停止に陥っているので「考える負荷」が指導者にかかりません。そうすると指導者の成長はストップしてしまいます。

いろんな考え方、それ自体はとても素晴らしいものです。しかし、指導者は状況に合わせてたくさんある考え方から一つを選ばなければなりません。様々な考え方を知っておくことはとても重要ですが、「唯一の方法がある」と考えてはいけません。

指導者は楽をせずに、選手以上に「1回の練習を成功させること」にこだわり、「練習試合でも手を抜くことなくコーチングする」ことをしなければ指導者としての成功は得れないと思います。Aチームだから必死になって、Bチームだから要求レベルを下げる。などは絶対にやってはいけないことです。

AもBもファーストもセカンドも関係ない

また、選手の個性というテーマで書きたいと思いますが、ジュニア(小学生)でもジュニアユース(中学生)でも一人の人間です。AもBもファーストもセカンドも関係ありません。
1日にたくさん試合を組むなら、選手以上に指導者が消耗するはずです。しかしいつも何故か選手だけが鍛えられます。選手にとってはAもBも関係ありません。指導者がBチームの指導に気持ちが入らないなら、選手に移籍を進めるべきです。

話はそれましたが、「唯一の方法はない」上に、それを選ぶのは「指導者が楽をする道」につながります。
育成年代(少年・少女)の今後を担うのは「若い指導者の方々」です。ぜひ、選手以上の努力をしてほしいと思います。
僕もそういう若い指導者に負けないように、襟を正して、目の前の選手に「最適なものを提供する」努力を続けたいと思います。

(追伸:この記事をアップした直後に黒沼コーチの記事を読みました。お互い気の合うということですね笑。セカンドチームがほっとかれる、コーチの責任はどうなるのか?そういう現状を若い指導者は直視する必要があります)

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営