試合前後の挨拶をなくしませんか?

試合前後の『挨拶』というもの。
もしかしたら「誰もそんなことを思わない」かもしれませんが、僕はここにも「日本のスポーツの悪しきもの」があるように思います。

もしくは『本質を捻じ曲げてしまうもの』、『指導者の怠慢』など。

『挨拶』それは「その人が育った環境」や「教育」だったり、「習慣化されたもの」だったり、「コミュニケーションの一つ」かもしれません。

日常的に「おはよう」や「こんにちは」に始まり、「社会人としてのコミュニケーション」。

「挨拶」は「人としての礼儀的な要素」だと思います。
しかし(他の地域はわかりませんが)、これもまた『スポーツ界独特』の意味のない「コミュニケーション」が行われているということに懸念を持っている人はどれくらいいるのでしょうか。

試合後のベンチ挨拶

公式戦では「試合後にベンチ挨拶」に選手がやってきます。
特に相手が負けた試合の時、選手は泣いたり悔しい表情を浮かべながら握手にきます。その時に『スポーツマンらしく、しっかりと握手をしてくれる選手』もいれば、中学生くらいになると『手の先でチェン』と(握手しないで手を触れるだけ)する選手もいます。
気持ちはわかります。

負けた試合直後に、「イライラしている」「納得いかない」という気持ちがあるのは、「真剣に勝ちを目指した直後」ですからそのような心境も理解できます。
でもそのような礼儀を欠いた態度を目の当たりにすると、こちらも気分良くありません。

そこで思うのは「別に握手しなくてもいいよ」ということです。
試合後の心理は理解できるので、「そういう時は早くロッカーに帰って気持ちを整理しな」ということです。
育成年代であっても選手は人間ですから、大人と同様に感情を持っています。

2回挨拶する選手たち

先日、中学生の練習試合でラインを引いたりとコートを作っていると、対戦相手の選手たちが集まってきました。
「どうしたの?」と聞くと「挨拶させてください」と言うので「いいよ、さっき会った時にそれぞれ挨拶してくれたよ。別に特に集まって挨拶とかいいよ。」と言うと、「いや、監督に怒られますので。」

…???

そもそも準備している段階でみんな挨拶してくれたし、別に挨拶してくれなくても良いのですが。
そんなことで怒られるなら可哀想だから、こちらも対応して「(選手が一同に)お願いします!」「こちらこそお願いします。」

その日は3チームで試合をしたので、終了後に3チーム集まって「今日は練習試合をしてくださって….ありがとうございました!」

この形式は必要なのか?

選手は挨拶するけどコーチはしない

形式化することで「習慣化される」と言う意味では必要かもしれませんが、そもそもコーチはしないのに「選手だけにやらせる」と言うことが問題です。

サッカー界に特に多いのが「ウィッス」みたいな挨拶。
選手は、コーチの言う通り「きちんと挨拶」しているのに「監督・コーチはできない」。
コントのような話ですが現状です。

『選手にはきちんと挨拶させる』けど、『試合中に監督はタバコ吸ってる』とか、ジュニアでよくある試合前のベンチ挨拶で「選手は並んで挨拶」しているけど「監督は挨拶しない」。

今までスポーツをしていない人が「スポーツ界ってこういうものなんだな」と思った時に、「スポーツに携わっている人の地位が下がる」ことが起きるのかもしれません。

ディテールに現れている

このような「挨拶」の例はとても細かいことかもしれませんが、僕の考えではそのようなディテールに現状の問題が多々あるという認識です。

例えば、毎週末にクラブの監督やコーチがグランド作りをしていること、派遣審判の日当、ボランティアとクラブチーム、情報公開が遅れている協会の体制、トレセンの問題。

細かな点の問題が実は線となって繋がっていくのではないでしょうか。

一見、何もないように思える『挨拶』の問題を引き起こしているのは『もっと大きな問題』です。

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営