敗戦を選手のせいにする指導者は…今すぐ…

これからサッカーで生計を立てたいと思う、「若い指導者」やそれを評価する保護者の方へのメッセージです。

最近は雑誌の取材やその他の活動の影響もあってか、福岡県以外の指導者の方からも問い合わせが増えてきました。本当にありがたいことで、現在、少年・ジュニアサッカーのコーチをしている、中学生・ジュニアユースの指導をしているといった県外の方からレアッシで指導者をやりたいという連絡を頂いています。特に関東の方からの問い合わせが多く、僕たちのやっていることが地域を超えて伝わっているのだなと感じています。

昨日は関東の方とスカイプを通じて面談を行いました。(以下の話はこの方とは関係ありません。)
現在バルセロナに行っている黒沼コーチとも電話で話せますし、スーパーバイザーの坪井ともスカイプでミーティングを行っています。本当に便利な世の中になりました。

話は変わって今日のテーマである「敗戦を選手のせいにする指導者は…」ですが、これから指導者を目指す若いコーチたちには是非とも意識してほしいことがあります。

それは試合に負けた時、うまくいかない時に「自分のせいにする」というスタンスです。
「自分に何が足りないのか?」
「選手が集まらないのはなぜか?」
「なぜ選手は自分のチームを出て移籍したのか」
「試合に負けたのはなぜか」
それらはすべて「自分のせいである」
と考えてほしいと思います。

先日ブログに書いた「選手間の競争」
それは指導者にもあてはまります。「負けたら他の選手のせいにする」のか。
コーチはそれを指導する立場ですから当然、試合に負けたら選手のせいにするのではなく、自分の責任を自分で取る必要があります。選手に言うからには自分が実践する必要があるのです。

試合に負けた、うまく行かない時に「練習をさぼっているからからそれが出た。子どもたちは真剣さが足りない。試合に向けてちゃんと準備してますか?」などと選手に言ってしまうのは、自分の指導力がないことを露呈してしまいます。
特に若いコーチに対して保護者の方は「大人」ですから気を使って「コーチの言う通り、子どもたちはもっと頑張れ」と、その場では言ってくれるかもしれません。それを保護者のかたもそう言っているのだからと言って、責任を感じなければ(勘違いしてしまっては)指導者として成功はしないと思います。(恥ずかしい話ですが、僕も若い頃はそうでした)

僕らプロの指導者から見れば、コーチの力量がすぐに分かります。「チームが試合に勝てないのは本当に選手のレベルの問題なのか」「選手がステップアップできないのは選手の意識の問題なのか」、「選手のうまくなりたいという意識の低さは選手自身の問題なのか」。
そうではなくほとんどの場合「指導者の力」に問題があります。
もし、いつも選手だけが原因ならコーチは必要ありません。コーチがいつも選手のせいにする、そのような場合、もしかしたらコーチがいない方が子どもの本来持っている「成長しようとする能力」を阻害しなくて済むかもしれません。

『コーチの仕事とは何か?』….

社会的に保護されている学生を終えて「社会」に出て仕事をすると、保護者のみなさんはご存知の通り、「できるスタッフとできないスタッフ、中間のスタッフなど様々な人」がいることはすでに経験されているかと思います。

僕もデザイン会社に勤めその後フリーとして働いた経験あるので分かりますが、会社の内部、取引先で「仕事ができる人・できない人、若いのに重要な仕事を任されている人、重要な仕事を任されていない人、経験はないが将来性がある人、経験はあるがコミュニケーションが取れない人、年齢は高いけど要領が悪い人」など、実に様々な人がいます。
この中で、どのような人が「これからの将来がある大事な選手たち」に対して、「もしサッカーのコーチになっても良い仕事ができる」のか。

どうしても保護者の方は「サッカーのコーチ=自分よりその世界を知っている人=立てる」となってしまいます。ぶっちゃけて言うと、子どもを預けているので、「言いたいことも言えない」というケースも多々あります。自分の子どもが試合に出れらるか、もしくは、ボランティアでやってもらっているから、と考えた時に、どうしても遠慮をしてしまいます。

もちろん、日々の仕事をこなしながら、サッカーや子どもが好きで休みを返上して指導をしているコーチはたくさんいます。僕が知っている中でも、コーチとして賃金をもらっていないのに情熱を持っている人はいます。本当に素晴らしい仕事をしています。

しかしそれとは逆に、コーチという立場がどうしても選手や保護者のかたより強い立場になるが故に、それにあぐらをかいている人も、残念ながらいます。

ですので、これからサッカーの指導者を志している若い人には、よく理解してもらいたいのです。
「選手が成長しないのはコーチのせいである」
そういうスタンスを取らなければ、いつもコーチに対して弱者である子どもが犠牲になってしまいます。そして保護者の方々の「見る目の向上」が「指導者のレベルアップ」につながります。

サッカーのコーチというのは閉ざされた世界ではいけません。僕の持論かもしれませんが、「どの業界でも良い仕事をできる人はサッカーのコーチでも良い仕事ができる」と思っています。逆もしかりです。良い仕事をする人はプロでもボランティアでも、どこでも良い仕事をします。
例えサッカーのことを詳しく知らなくても「一般的な社会の仕事と比較」すれば、そのコーチの仕事ぶりがよく分かります。
一般的な社会の中では良い仕事ができないけど「コーチとしては優秀」などは、かなり少ない例外を除いて有り得ません。
「サッカーのコーチ」というのを外して、「一人の社会人」としてそのコーチの仕事はどう見えるのか。まずはそのように「コーチが評価される」ということがとても重要です。

もし、サッカーのコーチが選手に何らかの影響を与える立場だとしたら、コーチはそれを職業としていてもいなくても、大事な選手を預かる重要な役割を担っています。社会人として良い仕事ができないのに良い指導者はできません。
サッカーのコーチが守られる立場ではなく、評価される立場にならないと成長は望めません。そういう意味で「これからの指導者を志す『若い』人たち」には、そういう一般的な会社と同じくらい、もしくはそれ以上の評価が厳しい世界でやってほしいと思います。
サッカーのコーチとして、それを職業としてやって行くことは責任があると同時に、素晴らしい感動や充実ももたらしてくれます。

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営