『罰走』がなくならない理由は2つある

今だに試合に負けて『選手が走らされる』状況があるのが不思議ですが、これについて考えてみると「大きく2つの理由」があると思います。

そもそも「試合に負けた時」、監督が「自分の努力が足りなかったから戒めも込めて走る」なら、それは直接的な問題解決にはならないかもしれませんが、良いかもしれません。
また、選手たちも「自分たちも責任があるから一緒に監督と走る」」といったようにプラシーボ効果があるなら、まだ理解できます。

しかしそのような例はなく、いつも「選手が理不尽に走らせられる」。
この無意味なことを正すには「保護者の目」が重要だと思いますが、ここに内在される理由を考えてみました。

自分が育った環境が良かったと思う例

多くは「サッカーの指導者」をやっている人々は「若い頃サッカーをやっていた」経験があります。
ポジティブな考えでは「自分はあの時の辛い経験があったから今がある」と思えるパターンです。
「確かに理不尽なことは分かっているけど、スポーツではそういう苦しみも大事だ。」心を鬼にして「選手を走らせる」という心境は、間違っていると思いますが、まだ理解できないことはない感じです。

「自分は現役時代ずっと補欠だったけど、その努力が社会人の今生きている」

などと思えるパターンは、間違っているけどその情熱は悪くない、というようなケースでしょうか。
(当然ダメですが)

僕はこのようなことはしませんが「とても選手に愛情がある」といったケースでは、やってることは間違っていますが「まだ、コーチとして改善できるレベル」かと思います。
(レアッシの場合は即刻クビです)

そもそも勉強が足りない場合

そもそも、「スポーツ=きつい練習」という思考の場合。
このパターンの方が厄介です。
勉強不足、もしくは「論理的な思考」を欠如していますので「改善の余地がない」ケースです。

以前、とあるスクールに通う小学生の選手が「浜辺ダッシュをさせられてゲロをはいた」と言っていましたが、「小学生に浜辺をダッシュさせる練習」という意味のないスクールでも選手はコーチを信じて頑張ります。
ひどい例では「マスクをつけて持久走を行う」というようなこともあるらしいです。

完全に「何も知らない」典型です。

もしかしたら保護者の方は「スポーツの世界はよくわからないけどそういうものかな」と思っているかもしれません。
僕ら「プロの指導者」からすればすぐに「良し悪し」がわかりますが、難しい問題かもしれません。
このように指導者としては「あり得ない」と思うことも日常茶飯事に起きています。

2つに共通しているのは…

この2つのパターンに共通しているのは、「今までと同じ」ということです。
どちらも結局「罰走」を肯定していますから、それをなくすにはいくつかのアプローチが必要です。

反対に「罰走は必要」という意見もあるかもしれません。それは「論理的に議論」する必要があります。

今までの経験値という「観念」だけでなく、普遍的な「概念」をもとに議論すれば同じような着地点が見えてきます。

もしかしたら、「まずはここから議論しなくてはならない」という現状が「日本のサッカーが遅れている現状」かもしれません。

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この記事を書いた人

□スペインサッカー指導者ライセンス レベル1
□選手歴 筑陽学園サッカー部卒
□指導歴
2007-現在 レアッシ福岡FCジュニア,ジュニアユーススタッフ
2009-12 FCバルセロナ オフィシャルスクール福岡校コーチ
2015-2016 スペインバルセロナ在住
2015-16 UE CORNELLA Juvenil B 研修(バルセロナ)

サッカーコーチが学べる情報サイト『ジュニアサッカー大学』を運営