先日行われたU21欧州選手権でスペイン代表は決勝でドイツに敗れて準優勝となりましたが、その錚々たるメンバー構成は話題となりました。
その筆頭はアトレティコ・マドリー(スペイン)でレギュラーとして活躍するサウールで、その他にもアーセナル(イングランド)でレギュラーのベジェリンやチャンピオンズリーグの決勝で得点したレアル・マドリー(スペイン)のアセンシオがおり、さらには大会のMVPを獲得しレアルマドリーやバルサへの移籍が取り沙汰されているベティス(スペイン)のダニ・セバージョスらがいます。
彼らはプロ入り後からすぐに活躍できたのか
プロ入り後すぐに活躍できた選手もいる反面、レンタル移籍も含めてすぐに所属クラブより格下のクラブや2部などの下のリーグでプレーしていた選手もいるようです。そしてそこでの活躍が認められて現在はほとんどの選手がスペイン内外の1部に所属しているクラブでプレーしているようです。
では日本のプロ選手はどうなのか
日本では高校を卒業してすぐにJ1の強豪やJ1に定着しているクラブへ入団する選手も多いと思いますが、その多くは1-2年の間は若手で臨むカップ戦以外で公式戦を戦う事はありません。
今回のU20W杯に出場した選手の中に所属クラブでバリバリのレギュラーという選手は半分もいなかったのではないでしょうか。
海外の選手と差が開いてしまうヒントはここにある
スペインでは若年層から試合に出なければ意味がないし成長しないという考えがあり、ベンチを温め続けるならば移籍するという事が当たり前にあります。
それは指導者も一緒でどんなに能力が高いと評判が高くても試合に出ていない選手は評価しません。U21スペイン代表でもほとんどの選手が所属クラブでレギュラーとして活躍し、昨シーズン20試合以上の出場がある選手ばかりでした。
しかし日本ではU23くらいまではずっと同じようなメンバーが選ばれ、そこには所属してクラブの出場有無が関係ないようにさえ思えます。今回のU20W杯前の合宿でもクラブでの出場機会が少ない選手も多いから練習試合を多めに組んだ、という監督の趣旨も記事で見かけました。
これから日本サッカーの向かうべき道
これまで日本サッカーにおいては、いかに大きなクラブやレベルの高いリーグ(J2よりJ1というような感じ)に所属する事がステータスでしたが、もうそれは変革の時期に来ていると思います。
J1のビッグクラブに声をかけられる選手であれば中位のクラブに、J1の下位から声を掛けられる選手はJ2のクラブに入団するなど1年目から試合に出られる事を基準にチームを決める。
そして活躍してより上のリーグやクラブに移籍をするという考えに選手自身も変わるべきだと思います。
そして20や21歳でJ1で1年レギュラーとして活躍し、海外に移籍をするというのが現時点の理想だと思います。25・26歳で海外へ移籍しても、そこから実績を重ねてスペインやイングランドのトップクラブでプレーするのは簡単ではないからです。
それは若手の能力がある選手が入ってくるし、20代後半でそういったクラブから声を掛けられるのは他の欧州国で目覚ましい活躍をしている選手ばかりだからです。
つまり20代半ばでの海外移籍はビッグクラブでプレーするという意味では遅いのです。
この記事を書いてる最中にもチェルシー(イングランド)からレンタル移籍で2部でプレーしていた19歳の選手が23ゴールを挙げる活躍をして4年の契約延長を勝ち取った(来シーズンは他の1部クラブへレンタル移籍が決定)、というように成り上がるための競争は過酷なのです。
2018年3月末にスペイン遠征を実施するレアッシ
先日、クラブに在籍している小学4年生から中学2年生までを対象にアンケートを行い、来春のスペイン遠征を実施する事が決まりました。
上記した厳しい競争のある国や、その競争の中で戦っている選手達との対戦を通じてサッカーへの取り組み方が変わる事と異文化に触れて人間として逞しくなる事を目的としています。
もしその中で1人でも海外でサッカーをしたいと将来的に思ってくれる選手が現れたら嬉しいです。
